駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.342

第37回「自信」

月岡 葵梨香

 駅伝ひろばをご覧の皆様、こんにちは。2023年度、関東学生陸上競技連盟で幹事長を務めました、月岡葵梨香と申します。

 私は97回大会から100回大会までの4大会で、学連幹事として箱根駅伝の運営に携わらせていただきました。

 大好きな箱根駅伝の運営に関われることが嬉しくて仕方なかった97回大会・大会の開催に向けて協力してくださっている方々の多さに驚いた98回大会・刻々と変化する社会情勢への対応に苦戦した99回大会・そして細部まで準備し尽くし、自信を持って選手を送り出した100回大会。1つひとつの大会に数え切れない程の思い出が詰まっています。

 学連幹事として活動した4年間、沢山の貴重な経験をさせていただきました。その中で、自分だけでは解決策を見出すことができない課題にも直面しました。

 特に幹事長を務めた4年目は、コロナ前の運用を踏襲する箇所とコロナ禍での運用を採用する箇所の選別に苦労しました。また、箱根駅伝では記念大会ならではの対応も加わり、まさに東奔西走の忙しい日々を過ごしていました。出場校や観客の皆様にとって最もよい形は何かを考え、決断することを繰り返しましたが、果たしてこの選択は正しかったのだろうかと後から思い悩むことも少なくありませんでした。

 そのような日々の中で、一時期はキャパシティをはるかに超える「やらなければならないこと」に押し潰されて下級生の頃に思い描いていた目標を見失い、出口の見えない真っ暗なトンネルを歩いているような感覚になってしまっていました。大会までの残り日数と目の前に積み重なった膨大な業務を交互に見ては、なぜ自分は分身術を使えないのだろうかと思ったことを覚えています。

 しかし、そんな時には必ず誰かが手を差し伸べてくれました。大変な業務を一緒に乗り越えて、どんなに苦しい状況も笑顔に変えてくれた学連幹事の仲間たち・学連幹事の意見を尊重しつつ、的確な助言で視野を広げてくださった先生方・私たちの熱意に全力で応え、大会の開催に向け快く協力してくださった関係各所の皆様・「泣いてる時間が1番無駄だから早く手を動かしなよ」と厳しい言葉をかけながらも、毎大会観戦に来て励ましてくれた両親など、挙げはじめたらキリがありません。

 4年間そばで支えてくださった皆様へ、この場をお借りして御礼申し上げます。苦しい状況を乗り越え、主催者として関わった全ての大会を無事に終了できた経験は、私に大きな自信を与えてくれました。これからは私も、頑張っている人に手を差し伸べられるような強い人間になりたいです。

 さて、箱根駅伝は今年で100回大会を迎えました。過去の駅伝ひろばでも先輩方が仰っていましたが、100回はゴールではなく通過点なのだと思います。今後も、選手をはじめとした多くの人に夢を抱かせるような大会であり続けてほしいと願っています。

 100回大会が閉幕して早数ヶ月、学連幹事は既に次の大会へ向けて走り出しています。そんな後輩たちが創り上げる箱根駅伝は素晴らしいものになると確信しています。ぜひ、来年の12日・3日も楽しみにお待ちください。

 最後までお読みいただきありがとうございました。これからも箱根駅伝を、関東学生陸上競技連盟をどうぞよろしくお願いいたします。