駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.370

第28回「学連幹事になったからこそ見える景色」

三浦 拓也

 駅伝ひろばをご覧の皆さま、ご無沙汰しております。東海大学3年の三浦拓也と申します。

 私は一般社団法人関東学生陸上競技連盟で常任幹事として活動する一方、普段は日本学生陸上競技連合で業務にあたっています。日本学連にいる学生幹事は、関東学連から派遣されて活動しているので、千駄ヶ谷で活動している関東学連の先輩方や同期、後輩のみんなとは離れて、代々木にある事務所で活動しています。特に私が信頼をしてやまない同期とは、3年間苦楽を共にしてきたこともあり、学連で活動する期間のリミットが迫ってくればくるほど、離れて仕事をすることに寂しさを感じるようになってしまいました。この事は照れくさくて誰にも伝えることはできていませんが、この機会に記しておきます。同期のみんな、いつも本当にありがとう。

 そんな私も今年1年、日本学連の幹事長として活動させていただきました。日本学連には、私の1つ上の学年に幹事がいない関係で、3年生という未熟者ではありましたが、幹事長を務めることとなりました。異例のことではありましたが、幹事長として活動する中で悔しい思いをすることも良い思いをすることも数多くありました。悔しい思いのひとつとして挙げられるのが日本学生陸上競技対校選手権大会 (以下、日本インカレ)での出来事です。日本インカレは、全国各地の大学による対校戦で、各大学のエース級の選手達が各校のプライドを胸にしのぎを削り合う、日本学連としても重要な競技会のひとつです。その日本インカレでは、大会総務として大会本部で全体の指揮を担いました。しかし、そこで私は大会総務としての役割を十分に全うすることができず、大変苦い思いをすることとなりました。準備不足、視野の狭さが露呈し、たくさんの厳しいお言葉をいただきました。同じ大学で関東学連の幹事長を務める同期は、私と似たような境遇であるのにも関わらず、国立競技場で行った関東インカレを始めとする各大会を冷静沈着に鋭い先見性を持った指示を出し、成功へ導いていました。その様子を横で見ていた分、自分と比べるわけではありませんが「一体自分は何をしていたのか」「自分は幹事長に向いていないな」と自分を責めることもありました。しかし、いつまでも落ちこんでいるわけにはいきません。幸いにも、来年も幹事長を務めさせていただける予定ですので、同じ失敗は繰り返さないよう、より一層学連幹事としての活動に真摯に向き合っていく所存です。

 ただ、学連活動は苦しいことばかりではありません。2024年の大きな思い出のひとつにあるのが、11月に実施したオランダ派遣にマネージャーとして帯同したことです。日本学連では、ワールドユニバーシティゲームズのハーフマラソンにおける強化の一環として、オランダのナイメーヘンで開催される、Zevenheuvelenloop 15kmロードレースに選手を派遣しています。その派遣に帯同することが学連幹事生活の中での悲願であり、実際に帯同が決まった日のことは昨日のことのように覚えています。現地でスタッフの方々や選手のみんなと過ごす時間は、新しい発見の連続で毎日が刺激的でした。1週間という派遣期間でしたが、私自身初の海外渡航であったこともあり、あっという間に過ぎていきました。選手達もこの派遣を通じて、今後の競技人生における貴重な経験であったと思いますが、私にとっても今後の学連幹事としての生活における糧となるような素晴らしい派遣でした。

 今年もいよいよ箱根駅伝の号砲が近づいてきました。数々の先人達が繋いできた本大会は、101回目の継走を迎えます。このような歴史のある大会に携われることは私の誇りです。大会当日は戸塚中継所を担当する予定で、選手たちのサポートに全身全霊であたります。当日出走する選手やエントリーされながら出走が叶わなかった選手、そしてエントリーから漏れてしまった選手のそれぞれにこの大会に懸ける思いがあることでしょう。そのような背景に思いを馳せながら、出場する全21チームに温かいご声援のほどよろしくお願いいたします。

 次の回からは、私たち後輩が尊敬してやまない4年生の先輩方が続きます!

 4年生の先陣を切るのは、みんなの癒し目黒さんです!ぜひご覧ください!