駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.230

第22回「第96回大会を終えて思うこと」

森 菜々穂

 こんにちは、関東学生陸上競技連盟で幹事長を務めております、早稲田大学人間科学部4年の森菜々穂です。

 第96回箱根駅伝、そして学連幹事がリレーしてきた学連日記はいかがでしたでしょうか。

 今大会は、青山学院大学が往路優勝の勢いのまま復路も独走し、圧倒的な強さを見せた大会となりました。その一方で、例年まれにみる順位変動には、前評判通りの混戦だったと感じた方が多かったのではないでしょうか。
 昨年10月の台風19号により、箱根町は大きな被害を受けました。しかし、多くの方々のご協力のもと、コース上を整備いただき、当日は無事に全チームがフィニッシュすることができました。ご協力いただいた多くの方々、そして沿道からたくさんのご声援を送っていただいた観客の皆さまに心より感謝申し上げます。

 さて、唐突ですが、選手が走る舞台にはどのくらいの方が関わっているか、皆さんは想像したことがあるでしょうか。
 私は4年前に学連の門をたたいた時、「学生主体」で大会運営をできるということに心を躍らせていました。「自分たちの力で、関東インカレや箱根駅伝のような大きな大会を運営するんだ」と意気込んでいたことを今でも覚えています。4年前と今、私の中で大きく変わったことは、大会を「運営する」から「やらせていただいている」という気持ちになったことです。
 例えば箱根駅伝では、お正月から沿道で走路員をしてくださる陸上競技協会、学生補助員の方々、交通整備をしてくださる警察の方々がいます。また、中継所や応援場所として敷地を貸してくださる店舗の方々や、運行ルートを変えてくださるバス会社の方々もいます。そして、217.1㎞にも渡る交通規制には、数え切れないほど多くの、大会とは直接関係のない方々にご協力いただいています。
 4年間、ご協力いただく多くの方々とご挨拶をしました。交換した名刺の枚数は400枚を超えると思います。そして、その度に快くご協力をいただき、応援までしていただきました。大会を開催できることは当たり前のことではなく、多くの方の支えがあって運営させていただいていることを身をもって実感しました。そして大会運営に限らず、ひとつのことが成り立つためには、見えないところで自分が想像する何倍もの方々が関わっていることを想像できるようになったことは、今後の私の人生において大きな財産となったと思います。
 また何よりも、陸上競技の大会運営は本当に楽しかったと純粋に思わせてくれた多くの方々に感謝しております。

 最後になりましたが、学連日記をお読みいただいた皆さま、ありがとうございました。学連日記を通し、学連幹事の思いや大会の裏側を知っていただけましたら嬉しく思います。これからも箱根駅伝、そして関東学連をよろしくお願いいたします。